幻の白い花

幻の白い花

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写真の花、名前が分かる方はそうはいないのではないかと思います。

 

写真の背景が暗いことに疑問を感じた方は鋭いです。そうです、夜です。夜に咲くとても変わった花なのです。

夜に咲く花といえば月下美人が有名ですが、個人的にはこちらの花の方が好きです。

 

 

この花の名は「月見草」。

 

月見草というと聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、おそらく黄色い花を想像するのではないでしょうか?

 

太宰治の作品の歌の中で「富士には月見草がよく似合う」という一節がありその黄色い花を指しているようなのですが、これが実は月見草ではなかった。そこから間違った名前で広まってしまったそうです。

 

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この花は夕方から白い花を開花させ、朝には紫色になってしぼみます。

 

ほとんど人目につかずに可憐な花を咲かせているのです。花は透き通るような白で、月に向かって咲きます。

月明かりに照らされてぼんやりと光り、暗闇に浮かび上がる様はまさに「幽玄」。

竹取物語のかぐや姫を連想させます。

 

いかにも日本人の美的感覚にぴったりな月見草ですが、意外にも江戸時代に観賞用として日本に入ってきた外来品種で、これまでに野性化も試みてきたようですが非常に弱いために残念ながらほぼ失敗に終わっているそうです。

他の雑草にすぐに駆逐されてしまうので、現在は野生の月見草は絶滅しているとの見解も。

 

ところが、その月見草が自宅の庭に自生しています。植えてないので野生です。

数年前に庭でひっそりと咲いている月見草に気がつき、それ以来毎年この時期になるとふわっと出てきて白い花を幻想的に咲かせてくれています。しかも少しずつ勝手に増えながら。

 

以前記事にした白いタンポポしかり、

白いタンポポの記事

 

ここはパワースポットか何かなのか?と思い始めています(笑)